はじめに:「海外赴任候補」という一言が、考えるきっかけになった
JACリクルートの担当コンサルタントの方から、新しい求人のご紹介をいただきました。今回紹介されたのは、自動車向けの樹脂部品などを手がけるメーカー(ここでは A社 と呼びます)の技術系総合職です。勤務地は愛知県、雇用形態は無期雇用の月給制でした。
求人票には複数の職種が並んでいましたが、私のこれまでの経験(製造現場での設備の修理や改善)にいちばん近いのは、設備保全のポジションでした。射出成形機など各種設備の定期メンテナンスや、トラブル対応、故障時の修理手配、設備の改善提案といった内容です。これまでの体験談で何度か書いてきたとおり、私の軸に近い仕事だと感じました。
ただ、今回もう一つ目に留まったのが、職種名に添えられていた「海外赴任候補」という一言でした。勤務地の欄にも、国内の愛知県だけでなく、将来的に同社の海外拠点へ赴任する可能性があると書かれていました。
海外赴任の可能性そのものについては、以前[別の求人の体験談](/blog/jac-overseas-assignment-offer)でも書きました。今回はそこから一歩進んで、「外国人と一緒に働くこと」について、自分の正直な考えを整理しておきたいと思います。これは海外赴任に限らず、いまの国内の工場でも避けて通れないテーマだと感じているからです。
海外赴任だけじゃない。国内の工場でも「外国人と働く」のは普通になってきた
「海外赴任候補」と聞くと、自分が海外に出て、現地のスタッフと働く場面を思い浮かべます。もちろんそれもあります。ただ、製造業で働いていれば気づくことですが、わざわざ海外に行かなくても、国内の工場ですでに外国人の同僚と一緒に働く機会は増えています。
技能実習生や特定技能の方、あるいは正社員として長く働いている方など、立場はさまざまです。私自身、これまでの現場でも外国籍の方と一緒に働いた経験があります。だから今回の求人を見たときも、「海外赴任の可能性」と「日々の職場に外国人がいること」は、地続きの話として受け止めました。
つまり、30〜40代で製造業の転職を考えるなら、「外国人がいる職場かどうか」は、もはや特別な条件ではなく、多くの会社で当たり前に向き合うことになるテーマだということです。そう考えると、自分はそれをどう受け止めるのかを、一度きちんと整理しておく価値があると思いました。
国籍より「人柄」と「歩み寄る気持ち」──私の正直な考え
ここからは、あくまで私個人の考えです。
外国人と働くことについて、私はそれほど身構えていません。理由はシンプルで、結局のところ「合う・合わない」は、相手が日本人であっても起きるからです。
これまで日本人ばかりの職場でも、どうしても話が噛み合わない人、一緒に仕事をするのがしんどい人はいました。逆に、すっと打ち解けて頼り合える人もいました。それは国籍で決まることではなく、その人の人柄や、仕事への向き合い方によるものだと思います。
外国人の同僚についても、同じだと感じています。たとえ日本語がカタコトでも、伝えようとする気持ちがあって、人柄が良ければ、現場では特に問題なく一緒に働けます。 むしろ、言葉が完璧でなくても、お互いに歩み寄ろうとする姿勢があるかどうかのほうが、ずっと大事です。設備保全のような仕事は、身振りや図、実物を指さしながら意思疎通する場面も多いので、言葉だけがすべてではありません。
もちろん、文化や習慣の違いから戸惑う場面はあります。でもそれは、相手を「外国人だから」と一括りにする話ではなく、一人ひとりの個人として向き合えば、自然に折り合いがついていくことが多い、というのが私の実感です。
それでも「外国人がいる職場は無理」と感じるなら、早めに伝えていい
一方で、こうも思います。
人によっては、「外国人と一緒に働くのは、どうしても難しい」と感じる方もいるはずです。それ自体を否定するつもりはありません。価値観は人それぞれですし、無理に「気にしないようにしよう」と思い込む必要もないと思います。
ただ、もし本当にそう感じるのであれば、無理を押して入社する前に、早い段階で正直に伝えておいたほうがいいというのが私の考えです。我慢して入社しても、日々のストレスが続けば、結局はご本人もつらいですし、受け入れる会社や同僚にとっても良い結果になりません。お互いにとって不幸な形になってしまいます。
その点、転職エージェントを通している強みは、こうした「自分からは言い出しにくい本音」を、担当コンサルタントの方に先に伝えておけることです。「外国人の比率が高い職場は避けたい」「海外赴任の可能性がある求人は今回は外してほしい」といった希望も、エージェント経由なら角を立てずに調整してもらえます。条件として最初にはっきりさせておけば、ミスマッチを防げます。
求人を「断ること」自体に罪悪感を持つ必要はありません。これは以前[お断りの仕方についての記事](/blog/jac-decline-offers)でも書いたとおりです。合わないと分かっている条件を、最初に外しておくのは、むしろ誠実な進め方だと思います。
この求人で、自分なら確認しておきたいこと
今回のA社の求人を前向きに検討するとして、自分なら応募前に確認しておきたいことを整理してみました。同じように「海外赴任候補」「外国人のいる職場」の求人を見ている方の参考になれば幸いです。
- 「海外赴任候補」の“候補”はどの程度の可能性か? 全員が必ず赴任するのか、希望者や適性次第なのか。タイミングや期間の目安も知りたいところです
- 赴任先の国・拠点はどこか? 国によって生活環境は大きく変わります。家族の帯同が可能かどうかも重要です
- 国内勤務時の職場の様子は? 外国籍の同僚はどのくらいいるのか、どんな言語でコミュニケーションしているのか。実際の雰囲気を聞いておくと安心です
- 語学力は求められるのか? 海外赴任候補とはいえ、入社時点で語学が必須なのか、入社後の研修やサポートがあるのかは確認しておきたいです
- 設備保全の具体的な対象設備は? 射出成形機の経験がどこまで活きるのか、未経験の設備に対する教育体制はあるのか
- 年収レンジ(400万〜700万円)のどのあたりが想定されるか? レンジは「幅」であって上限が約束されているわけではありません。読み方のコツは[求人票の読み方ガイド(番外編)](/blog/jac-reading-job-postings)にまとめています
こうした点は、担当コンサルタントの方に率直にたずねて問題ありません。むしろ、海外赴任や職場環境のように生活に直結する条件こそ、早めに確認しておくほうが、お互いにとって良い結果につながると思います。
まとめ
- 「外国人と働くか」は、いまや特別な条件ではない。 海外赴任だけでなく、国内の工場でも外国人の同僚と働く機会は増えていて、製造業の転職では避けて通れないテーマになっている
- 合う・合わないは、相手が日本人でも起きる。 大事なのは国籍ではなく、その人の人柄と、お互いに歩み寄ろうとする気持ち。カタコトの日本語でも、伝えようとする姿勢と人柄が良ければ、現場では特に問題なく働ける
- どうしても無理だと感じるなら、早めに正直に伝える。 我慢して入社すると、本人も会社もお互いに不幸になりやすい。エージェント経由なら「外国人比率の高い職場は避けたい」といった本音も角を立てずに調整できる
- 「海外赴任候補」の求人は、“候補”の中身を必ず確認する。 赴任の可能性・赴任先・語学・国内の職場環境まで、生活に直結する条件こそ早めにたずねておきたい
次回も、別の求人や転職活動の中で考えたことをお伝えできればと思います。