条件面では、今までで一番バランスが良かった
JACリクルートの担当コンサルタントの方から、新しい求人のご紹介をいただきました。ここでは仮にE社とします。東海圏にある大手自動車部品メーカーで、ポジションは生産技術でした。
これまでの記事でお伝えしてきたとおり、私の転職活動の優先順位は「勤務地 > 年収 > 職種」です。今回の求人をこの3つの軸で見てみると、以下のようになりました。
- 勤務地:豊田市内。自宅からの通勤条件にはむしろ合致していた
- 年収:希望に近い水準だった
- 職種:生産技術。これまでの設備保全や生産技術の経験と重なる部分が多い
正直なところ、条件面では今まで紹介された求人の中でもトップクラスにバランスが良かったと思います。勤務地・年収・職種のどれかが外れているパターンがこれまでは多かったので、3つとも「悪くない」と思えたのは珍しいことでした。
でも、ひとつだけ引っかかることがあった
条件だけを見れば前向きに検討してもよさそうなのに、私にはどうしても気になることがありました。
実は、私の身近な知人がこの同じE社の別の部署に転職していたのです。そしてその知人から、「自分のいる部署は、正直なところ働く環境として厳しい部分がある」という話を以前に聞いていました。
もちろん、知人が所属していたのは今回紹介された「生産技術」のポジションとは別の部署です。同じ会社であっても、部署が変われば上司も違うし、チームの雰囲気も仕事の進め方も違います。
一人の知人が、一つの部署で経験したことが、会社全体を表しているわけではない。 それは頭ではわかっていました。
「部署が違えば会社も違う」は本当だと思う
ここで少し、「会社の評判」について自分なりに考えたことを書いておきたいと思います。
転職活動をしていると、口コミサイトや知人の話を通じて、企業の評判を耳にすることがあります。「あの会社はブラックらしい」「残業が多いらしい」といった情報です。
でも、よく考えてみると、そういった評判の多くは特定の部署、特定の時期、特定の上司のもとでの体験に基づいていることがほとんどです。
たとえば、同じ会社でも、
- ある部署では残業が月10時間で、別の部署では月60時間
- ある上司のもとでは有給が取りやすく、別の上司のもとでは取りづらい
ということは、製造業の現場ではごく普通にあり得ます。
だからこそ、伝聞の悪い評判だけで会社全体を全否定するのは、その企業に対してもフェアではないと思います。少なくとも、「別部署の一人の体験談=この会社はダメ」と短絡的に判断するのは避けたいところです。
それでも「不安」は消えなかった
理屈では「部署が違えば環境も違う」とわかっている。それでも、知人から直接聞いた話というのは、匿名の口コミとは重みが違いました。
「別の部署の話だから、自分の配属先は大丈夫かもしれない」と思う自分と、「でも同じ会社である以上、似たような文化や傾向があるのかもしれない」と思う自分の、両方がいました。
不安を解消する方法はあったのか?
振り返ってみると、断る前にできることもあったかもしれません。たとえば、
- 面談の場で、配属予定の部署について具体的に質問する(残業時間、有給取得率、離職率など)
- 「生産技術」部門で実際に働いている方と面談させてもらえないか聞いてみる
- 担当コンサルタントの方に率直に「知人からこういう話を聞いたのですが」と相談する
こうしたステップを踏めば、「別部署の話」と「自分が配属される部署の実態」を切り分けて判断できたかもしれません。
ただ、今回の私の場合、こうした確認を重ねてまで前に進みたいという気持ちよりも、「不安が拭えないなら、無理に進まない」という気持ちのほうが強かったのが正直なところです。
最終的に、見送りを選んだ
結論として、今回のE社の求人は応募しないことにしました。
条件だけを見れば「もったいない」と思う気持ちもありました。勤務地・年収・職種のすべてが悪くなかったのですから。
でも、転職先は毎日通って、何年も働く場所です。「ここで働く自分が想像できるかどうか」という感覚も、条件と同じくらい大事な判断材料だと思っています。
知人の話を聞いたうえで、「それでもここで働いてみたい」と前向きに思えなかった以上、今回は見送るのが自分にとっては正しい判断だったと思います。
この経験から学んだこと
今回のことを通じて、「条件が合っていれば応募すべき」とは限らないということを改めて感じました。
条件の「合う・合わない」だけでは判断できないことがある
これまでの記事では、勤務地が遠い、年収が希望より低い、といった条件面の理由で見送るケースをお伝えしてきました。
今回は逆に、条件面では問題がなかったのに見送ったケースです。「スペック上は合っているのに、気持ちの面で踏み切れない」という判断もあるのだと、自分自身で体験してみて初めて実感しました。
「伝聞」をどう扱うかは、自分で決めてよい
知人から聞いた話をどこまで参考にするかは、正解がありません。
- 「別部署の話なんだから気にしない」と割り切れる人もいる
- 「少しでも不安があるなら避けたい」と思う人もいる
どちらが正しいというものではなく、自分がどこまでのリスクを許容できるかで判断すればよいと思います。
大切なのは、伝聞だけで企業全体を断定しないこと。そのうえで、「自分はこの不安を抱えたまま前に進めるか、それとも他の選択肢を探したいか」を冷静に考えることだと感じました。
まとめ
- 勤務地・年収・職種の条件がすべて合っていても、「気持ちの面で前向きになれない」という理由で見送ることもある
- 会社の評判は「部署単位」で大きく違う。一人の体験談=会社全体ではない
- 伝聞の悪い評判だけで全否定するのは企業に対してフェアではないが、自分が感じる「不安」も立派な判断材料
- 不安がある場合、面談で配属予定の部署について具体的に質問したり、その部署の人と話す機会をもらうなど、確認するステップもある
- 最後は「ここで働く自分が想像できるか」で判断してよい。不安が拭えないなら無理に進まないのも一つの選択
次回も、JACリクルートからの求人紹介に対して考えたことをレポートしていきます。