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「取引先への転職」と『会社の規模が小さくなる』不安。新規事業の求人で考えたこと|JACリクルート体験談⑫

活動を再開して、最初に届いた求人紹介

前回の記事では、しばらく止まっていた転職活動が、担当チームの方からの再連絡をきっかけに動き出したことをお伝えしました。そんな矢先、担当コンサルタントの方から新しい求人のご紹介メールが届きました。活動を再開して、最初に受け取った求人紹介です。

メールの形式は、これまでと同じ選択式でした。「1. 応募する」「2. 応募しない」「3. 詳細を確認したい」「4. その他」から番号を選んで返信するスタイルです。あわせて「一度お電話でもお話しできれば」という一文も添えられていました。

中身を読み進めて、今回は今までとは少し違う気持ちになりました。求人そのものは前向きに受け取れる内容だったのですが、紹介先の会社を見たときに、これまで感じたことのない種類の「引っかかり」を二つ覚えたのです。

紹介されたのは「新規事業の管理職候補」だった

ご紹介いただいたのは、産業向けの機器を扱う専門商社(メーカーではなく、商社)の求人でした。会社名は伏せますが、ここでは仮に A社 とします。勤務地は愛知県豊田市、雇用形態は無期雇用、年収レンジは400万円〜700万円との記載でした。

注目したのは、ポジションが 新規事業の管理職候補 だったことです。仕事の中心は、いま製造業で注目されている 協働ロボット(人のすぐそばで一緒に作業できるタイプのロボット)の導入支援でした。求人票には、おおむね次のような業務が並んでいました。

  • 技術担当として、提案営業の補助や営業担当者への同行
  • 講師として、社内セミナーの実施
  • 技術視点からのマーケティング企画
  • お客さまの相談対応、現場でのトラブル対応

これまでの記事でお伝えしてきたとおり、私のこれまでの経験は製造現場での機械修理や設備改善が中心です。協働ロボットの導入支援は、その現場感覚を活かしながら「人に教える」「提案する」という新しい役割に広げていく仕事に見えました。成長分野で、しかも管理職候補。職種としては、素直に「面白そうだ」と感じる求人でした。

産業向け機器の専門商社A社で、協働ロボット導入支援の新規事業を担う管理職候補という求人の概要を示したイメージ図

引っかかり①:紹介先が「現職の取引先」だった

ところが、A社の事業内容を読んでいて、あることに気づきました。A社は、いま私が勤めている会社と 取引のある会社 だったのです。

これは、求人票だけでは分からない、私だからこそ感じる引っかかりでした。普段の仕事の中で、A社の名前や、A社と現職とのやり取りに触れる機会があったからです。

そこで頭をよぎったのが、「もしA社に移ったら、今の会社を辞めた後も、仕事でまた顔を合わせることがあるのかな」という思いでした。取引のある会社ですから、立場が変われば、今度は 取引先の担当者として 元の同僚や上司と会う場面が出てくるかもしれません。

これは、良いことでも悪いことでもなく、ただ純粋に「気になってしまう」ことでした。気まずさを感じるかもしれないし、逆に気心の知れた相手だからやりやすいのかもしれない。どちらに転ぶかは分かりませんが、少なくとも「辞めたら終わり、もう会わない」という普通の転職とは、心構えが少し変わってくるのは確かだと感じました。

現職を辞めた後、取引先であるA社に移ると、立場を変えて元の同僚と再び顔を合わせる可能性があることを示したイメージ図

転職活動をしていると、紹介された会社が「同業他社」や「取引先」であることは、決して珍しくありません。むしろ、これまでの経験が活きる求人ほど、自分の業界の近くにある会社になりやすいものです。だからこそ、こういう気がかりは、自分一人で抱え込むより、担当コンサルタントの方に率直に相談してみるのが良いのだろうと思いました。

引っかかり②:会社の規模が、現職より小さくなる

もう一つ、正直に書いておきたい引っかかりがあります。それは、A社の規模が、いまの会社よりも小さくなる という点でした。

メーカーである現職に比べると、専門商社であるA社は、会社としての規模はおそらく小さくなります。頭では「規模の大小だけで会社の良し悪しは決まらない」と分かっているつもりでも、いざ自分のことになると、ぼんやりとした不安が湧いてくるのを抑えられませんでした。

不安の正体を自分なりに整理すると、こんなところでした。

  • 安定性への不安:大きい会社のほうが、なんとなく安心という感覚
  • 制度や福利厚生:仕組みが整っているのは大きい会社のほうではないか、という思い込み
  • まわりの目:「なぜ規模の小さい会社に?」と思われないか、という気がかり

一方で、冷静に考えると、規模が小さくなることには良い面もあります。

  • 一人ひとりの 裁量が大きく、自分の判断で動ける範囲が広がりやすい
  • 今回のように 新規事業の管理職候補 といった、大きい会社では順番待ちになりがちなポジションに、早く挑戦できる
  • 意思決定が速く、自分の仕事が会社に与える影響を実感しやすい

つまり「規模が小さい=悪い」ではなく、安定と引き換えに、裁量や挑戦の機会を得る という側面があるわけです。そう考えると、不安の半分は「大きい会社のほうが安心」という、確かめてもいない思い込みから来ているのかもしれない、と気づきました。

現職の大きな会社(安定・制度)と、規模の小さいA社(裁量・新規事業への挑戦)を天秤にかけ、規模の大小には良い面と不安な面の両方があることを示したイメージ図

自分の優先順位に照らして、どう返信したか

これまでの記事でお伝えしてきたとおり、私の転職活動の優先順位は一貫して「勤務地 > 年収 > 職種」です。

今回の求人をこの軸で見ると、職種(協働ロボットの新規事業・管理職候補)への興味は大きく、年収レンジも極端に外れてはいません。勤務地が通勤できる範囲かどうかは、確認が必要なところでした。

ただ、今回はこの三つの優先順位とは別に、「取引先である」「規模が小さくなる」という、気持ちの面での引っかかり が二つ重なっていました。条件だけで割り切れない要素があるときに、いきなり「応募する」と進めてしまうのは、自分には合わない気がしました。

そこで今回も、「1. 応募する」でも「2. 応募しない」でもなく、「3. 詳細を確認したい」 を選んで返信することにしました。あわせて、「一度お電話で」というお誘いにも乗ってみようと思いました。取引先であることをどう考えればよいか、規模の小さい会社へ移ることの実際のところを、プロである担当コンサルタントの方に率直に聞いてみたかったからです。

30〜40代で「取引先」「規模」が気になったときのチェックポイント

今回の経験を通じて、同じように30〜40代で転職を考えている方に役立ちそうだと感じたことを、整理しておきます。

取引先・同業への転職を打診されたとき

  • まずは慌てて断らない。経験が活きる求人ほど、自分の業界の近くに出てくるのは自然なこと
  • 現職との契約(競業避止義務など)に関わる可能性があれば、就業規則を一度確認しておく
  • 「辞めた後に顔を合わせるかも」という気まずさは、立場が変わるだけでチャンスにもなり得る。一人で結論を出さず、担当コンサルタントの方に相談する

会社の規模が小さくなることが不安なとき

  • 「大きい=安定・安心」は、確かめていない思い込みのこともある。実際の業績や事業の安定性で見る
  • 規模が小さいぶん、裁量・スピード・挑戦できるポジションといった得られるものに目を向ける
  • 制度や福利厚生は規模ではなく会社ごとに違う。気になるなら面接で具体的に確認する

大事なのは、引っかかりを「なんとなくの不安」のままにしないことだと思いました。一つひとつ言葉にして、確認できることは確認する。それだけで、判断の精度はかなり上がる気がします。

まとめ

  • 活動を再開して最初に届いたのは、協働ロボットの新規事業を担う管理職候補という、職種としては魅力的な求人だった
  • 一方で、紹介先が「現職の取引先」であり、辞めた後に立場を変えて顔を合わせる可能性があるという、これまでにない引っかかりを感じた
  • もう一つ、会社の規模が現職より小さくなる不安もあったが、規模の小ささには裁量・スピード・新規事業への挑戦といった良い面もある
  • 条件(勤務地>年収>職種)だけで割り切れない引っかかりがあるときは、いきなり応募せず「詳細を確認したい」を選び、担当コンサルタントの方に率直に相談するのがよいと感じた

次回は、「詳細を確認したい」と返信し、お電話でお話しした結果、取引先であることや会社の規模について、どんなアドバイスをいただけたのかをお伝えしたいと思います。

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